猫の名はちょいと。

猫と映画好きが綴る、ささやかな日常

天邪鬼の取り扱い方

わたしの彼は、とても天邪鬼な人だ。

これいいよ!と勧めたものは、たいてい一回目では受け入れられない。服にしろ音楽にしろ、興味がないという反応だ。

 

彼の家で、パスポート用の写真がポンと置いてあり、もう要らないというので頂いたことがある。それをスマホで撮影し、画像に落書きしていろんな髪型の彼を作ってみた。本人はいつも短髪にしているけど、ロン毛や前髪長めにすると雰囲気があってイケているという事を発見する。髭もあるとさらにGOOD。

これは教えてあげなきゃ、とその画像を送ると「君は小学生か」という冷めた返信が来た。すごく似合ってるから、伸ばしてみたらと言ってみたら「嫌です」と返されて終わり。だけどその2週間後、欠伸のついでという感じで「髪すこし伸ばそうかなー」とサラリとつぶやいたのだ。なーんだ、ちゃんと考えてくれてるんだと吹き出しそうになった。

 

よくよく観察していると、反射的にNOと言ってしまうだけで(それもどうかと思うが)、その後もずっと吟味はしているらしい。すぐに受け入れることはプライドが許さないのか。時には勧められるというより押し付けられているというか、自分の好みを否定されているように感じてしまうみたいで不機嫌になる。コミュニケーションというは難しいものだ。

 

映画についても同じようなことがあって、面白かった作品をお勧めしても反応は鈍かった。だけど構わず家で観ていると、ぜったいに食いついてくる。隣に座り、どんな内容であれ最後まで観ている。それに気が付いてから、なるべく彼の好みそうな映画を把握して流すようにしてみた。どちらかというと明るい内容で、人があまり死なないやつ。この前はダークナイトとアイアンマンを続けて観てみたが、どちらも食いついていたけどやはり明るいアイアンマンの方が良かったらしい。アメコミ系に縁がなかった彼に新しい風が吹いたようだ。最近もダニーボイルの「イエスタデイ」を観にいこうと誘ったら大満足だったようで、映画選びについてはだいぶ信頼してくれるようになった。今ではあらすじを説明すると割と興味をもってくれる。

更にはわたしに付き合わされてダークな作品も観ているうちに、すこし幅が広がったようで、最近では「韓国映画のパラサイト面白そうだね」といっしょに来年の公開を楽しみにしている。なんだか認められたようで嬉しい!

 

彼のような天邪鬼さんには、好き嫌いを把握したうえで的確なプレゼンをすることが大事。「こいつが勧めるものは面白い」という『信頼と実績』、それを積み重ねていけば、心をひらき受け入れてくれる日がくるのだ。街の工務店のようなキャッチコピーだけど間違っちゃいない。そして一度受け入れてもらえれば、そこから広げていく作業は難しくない。

 

次はぜひ本でもチャレンジしてみたい。楽しみを共有できるジャンルを増やしていくのは、もうわたしの趣味といっても過言ではないくらいに楽しい。