猫の名はちょいと。

猫と映画好きが綴る、ささやかな日常

何でもないはずの一日

職場の人が急に亡くなった。

私がそれを聞いたのは、昼休みの事だった。

今朝、家で倒れてそのまま…くも膜下出血だったみたい。と言われて、最初に出た言葉は「え?誰が?」だった。

忌引きの話かと思って聞いていたので、不意打ちで全く頭に入ってこなかった。

 

亡くなった人はわたしとは違う部署の男性で、あまり接点はないものの会話をした事はあった。48歳だったらしい。

 

きのうまで普通に仕事をしていた彼の席はポツンと空いていて、それがものすごく怖くて寂しかった。

彼と同じ課の人たちは、普通に働いているように見えた。でも朝一番に知らせを聞いていたようだから、心を落ち着けた後だったのかもしれない。

 

全体に発表されたのは夕方の事で、わたしの上司も「まさか皆にこんな知らせをする日が来るとは…」とうなだれていた。

みんな突然の事で理解するまでに時間がかかり、なにも反応できなかった。とにかく悲しいよりも衝撃が先にきた。

 

でも後輩の男の子が、しばらくして泣き出した。その子は、入社したばかりのとき彼に仕事を教わっていたらしい。うそだろ…と頭を抱えて涙をボロボロと流した。

 

すぐに受け入れられなくて、こんな状況でも取り乱さないよう、なんとなく取り繕ってしまう大人たち。そんな中で、その子だけが事実をきちんと受け止めて悲しんでいた。

 

その姿は、彼が本当にいなくなってしまったことを現実にして、だんだん周りにも悲しみが広がるのが分かった。

その子が素直に泣いてくれたことに私は感謝した。

悲しいときは、悲しむべきだと思った。

 

毎日、何でもない一日だったらいいのに。

そう思わずにいられない日だった。