猫の名はちょいと。

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浴衣に悩む男のはなし

先日、男友達から「浴衣を買いたいので付き合ってほしい」と連絡があった。

花火大会の日に納涼会があり、そこでちょっとした司会をするので新調したいと。

 

友達といっても半年前までは恋人という関係。

まぁ暇だったので、珈琲をご馳走してもらうことを条件に快諾。伊勢丹で待ち合わせることになった。

 

伊勢丹に着いて連絡すると、もう既に浴衣コーナーへいて何着か試着したらしい。

ちょっと拍子抜けしつつも、それなら目星もついており早めに買ってくれるだろうと期待したのが間違いだった。

 

色は紺かグレーか、ずっと着られる無難な柄がいいのか、いや、司会だしちょっと粋な方が…

優柔不断なくせにこだわりが強く、さらに気を遣っているのかおばちゃん店員の意見も否定できない。

 

1時間半かけてやっと決まった、と思いきや「じゃあお茶でもしてもう一度考えてきます」などと言いだす。あんさん、いい加減にしなはれ。

 

お茶を飲みながら、あの柄にしよう!と決めて浴衣のフロアに戻ると、先ほどの隣の店で、斬新なデザインの浴衣が売られているのに気がつく。蔵前のメーカーが出張してきたらしい。

 

私たちの帰りを待っていたおばちゃん店員を横目に、堂々と試着をする。かなり図太い神経だ。それでもなかなか決まらず、私はすっかり飽きて店員と世間話をしていた。

 

私のウンザリに気付いたらしく、焦り始めた彼は、汗を流しつつ困り顔になった。最終判断を私に委ねてきたので「自分がいいと思ったのにしなよ」と、ついつい突き放してしまう。

 

その結果、時間にして2時間半、浴衣と帯で計6万円ほどの買い物になった。

伊勢丹を出て、もう疲れ切っていたので食事の誘いも断って帰宅した。

 

やれやれと思った翌朝、浴衣を着た画像が2枚送られてきた。「前から持っていたユニクロの浴衣と、昨日買った浴衣。柄が似てる…これで6万円か。。」

心底ウンザリしたが、「好きな方にしたらいいよ」と返す。

 

その翌朝、「今日、返品することにしました。もう一度お店に行ってきます。」「そうなんだ、行ってらっしゃい」

 

その日の夕方、「返品しに行ったら、やはり惜しくなって…迷っているところになんと渡○篤郎が!返品するの止めました」「意味わかんないけど、とりあえずよかったね。」

 

花火大会の前日、「台風で花火大会と納涼会が中止になりました」「スタンプ」

 

もう、知らんがな。最後はちょっと可哀想だったけど、知らんがな。

 

付き合いたての頃はすべてが可愛いと思えた、浴衣に悩む男のはなしでした。